機能をしっかりと兼ね備えたオーボエリードが演奏において非常に大事なことは言うまでもありません。が、その機能がそろったオーボエリードを良い状態で演奏することもまた非常に重要です。そのことによって、同じオーボエリードを長い期間良い状態で使うことができるからです。今日は、良い状態のリードを保つのも早く劣化させてしまうのもあなた次第、というお話しです。

①「気がついたら音が出なくなっていた→ ぺたんこになっている」こういう経験ありませんか?これは元々ぺたんこのリードの可能性もありますが、演奏中にきちんとケアしていないことが原因かもしれません。リードが良い状態で振動して鳴るには、適度な開きが保たれていることが大前提です。いくら最初の状態が良くても、合奏中の吹いていない時間にリードを放置していると、リードは乾いて開きが少なくなります。その状態で音を出そうと思っても、かすれてしまうか、出ないか、爆音になってしまいます。どれも嫌ですよね、、、。休みの後でも綺麗な音でスタートするために、リードを口にくわえておく(私の場合は吹く形/アンブシュアでリードをくわえておきます)、水に少し浸けるなどの工夫をして「適度な開きがいつも保たれるように」心がけてみてください。

②「水につけすぎた→ 開きがつきすぎた」合奏中や練習中などにリードを水に浸けていることを忘れて気がついたらパカーン、と開きが大きくなってしまったことはありませんか?水に浸け過ぎると開きが大きくなりすぎて音が出にくくなり、更に吹奏感が重くなりすぎて演奏も難しくなります。適度な時間水に浸けることが大事ですね。

③「吹きっぱなしのままリードケースに入れる→ 汚れがついたまま」次に練習するときにリードの表面が汚れていませんか?リードの表面は、練習が終わったら汚れがついていないかチェックしてあげてください。小羽があれば、練習が終わったらリードを水に浸けた状態で後ろから小羽を差し込んで掃除をしてあげてください(小羽での掃除は数日に一度程度で十分です)。汚れたままのリードは劣化が早まってしまいます。
このように、リードの取り扱いを正しく行わないとリード自体の寿命を縮めてしまいます。特に演奏中の「適度に開きを保つこと」に対しては神経を使う必要があります。それだけ「演奏中の適度な開きを保つこと」はオーボエの演奏をする上で大事な要素なのです。せっかく上手く機能するリードがあったとしても、演奏中に良い状態を保ってあげないと長持ちはしない上に、演奏もどんどん苦しくなります。ぜひ、①の取説を意識してみてください。

では、適度な開きが保てない、すぐにぺたんこになってしまうリードは?それはもう古すぎるか、元々開きが無いリードという可能性があります。そういったリードは「古すぎる」「そもそも開きのないリード」と判断して早々に処分することをお勧めします。変な状態のリードで吹き続ける、変な状態のリードを変だと思わずに吹き続けるのは本当に良くありません。開きがないリードにどうにか息を入れて吹こうとしてオーバーブローになるか、息の圧力が全く足りずにしっかりした音が出せなくなります。
今回は、リードの取り扱いについてかなり細かく口うるさくお話ししましたが、少し気をつけるだけで演奏の質がぐんと上がるので、ぜひ意識してみてください。最後まで読んでくださってありがとうございます。
Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★