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【オーボエ奏法】Piepsen(リードでのピーピー音)が大事なわけ

これまでも何度か取り上げてきた「アンブシュア」について、今日は少し違った見方でお話ししようと思います。

アンブシュアがオーボエを吹いていく中での重要な「支え」の一つであることはすでにお話ししました。そのアンブシュアをどうやって鍛えれば良いのかもお話ししました。リードのみで音をピーピーと出します。そのことをドイツ語ではpiepsenと言います。では、どうして「継続的にアンブシュアを鍛える必要がある」のでしょうか?

それは「アンブシュア(リードを加える唇、口の形)を支える筋力が最も早く衰えやすいから」です。少し楽器を吹かない時間があったとします。久しぶりに楽器を吹いて「息を深く吸えなくなった」「支えが失われた」「心地良い吹奏感を忘れてしまった」と感じることが多いと思います。では、本当に息が深く吸えなくなったのでしょうか?本当に支えを失ってしまったのでしょうか?心地良い吹奏感はそもそもどこから来るのでしょうか??

私は「ほぼ全ての要因はアンブシュアからくる」と思っています。何度かお話ししていますが、オーボエを吹いていく中で重要な「3つの支え」があります。足裏感覚お腹の下の支え(息の使い方)リードを噛むのではなく唇で包み込んで支えるアンブシュアの持続力です。足裏感覚ってそんなに簡単に失われるものでしょうか?日常的に私たちは地面に足をついています。お腹の支えってそんなに簡単になくなるでしょうか?深く息を吐いて吸って意識をおへその下の丹田に向けてあげたら少なくとも意識はできるはずです。しかし、アンブシュアだけは口周りの繊細な筋肉の感覚になってくるので意識して鍛え続けてあげないと失われていきます、それも結構なスピードで感覚は失われます。なぜなら口の周りの形を保つ筋肉は日常生活においてそれほど重要ではなく鍛える必要がないからです(ですから人は口の周りから歳をとっていく(シワができる)のです)。そして「良いアンブシュアの感覚」を失ってしまうと、途端に他の機能も不安定になります。何しろアンブシュアは息(空気)が通る最初のポイントですしリードをくわえて支える重要なポイントですから、アンブシュアのしっかりした感覚が無いと息もお腹下の支えも不安定になるわけです。

以上の理由で、「3つの支え」を効果的に持続させるために最も重要なのは「アンブシュアの感覚、形を保つ」ことで、そのために継続的に鍛えることだと私は考えるのです。たとえオーボエの練習ができなくても、リードのみでのピーピー音(piepsen)で日常的にトレーニングしていくことがとても重要だと思うのです。今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。

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