良い経験をすると気持ちがいいですよね。成功したときなどオーボエやってて良かった〜など思いますよね。
逆に失敗したときなどは、とてもショックですし、トラウマにもなりかねません。どうしたら良いでしょうか?今日のテーマです。

私の中の結論をお話しますと、「良い経験も、悪い経験も、全部自分の都合の良いようにいかしていく、そうすれば後々、強みが増える」ということです。良い経験をしたらそれは嬉しいですし、自信もついてくる。では悪い経験は?よく言われていることですが、「失敗は成功のもと」は本当だと思います。ただし、「どうやって失敗を成功のもとにするか」が鍵になります。
うまく演奏できた時というのはその事自体が今後の自信に繋がっていきます。けれど、本当にうまくいった時というのは「ゾーン」に入っているので、実はそれほど細かいことまで覚えていないのではないか、と思います。とにかく楽しかった、間違える気がしなかった、うまくいくイメージしかなかった。これらは今後の自信として積み重なっていきますしとても大事なことです。それと同じぐらい、いや、もしかしたらそれ以上に「うまくいかなかった事からの方が学びは大きい」と私は思います。なぜなら、自分自身のことを徹底的に見つめて分析できるチャンスだからです。ただし、徹底的に見つめてそこから進まなければ意味はありません。
私はデトモルト音大の学生だった頃から、特に卒業試験のあたり〜オーケストラで働き始めた期間にたくさんの音楽日記を残しています。そこに色々とうまくいかないこと、それに対して誰かにアドバイスされてヒントをもらったこと、さらにすぐには実践できなくて悔しいけれど、忘れたくない内容などを必死にノートに書き留めています。「うまくいかなかった事からの方が学びは大きい」と書きましたが、失敗したままでは意味がありません。「何が起きたのか、その時自分はどういう状態になったのか、どうしてそれが起きたのか、ではそれが起きないためには何をどうしたらいいのか」ここまで出来るとその学びが自分を何倍も助けてくれて成長できます。さらにレッスンなどを通じて他の人に何かを伝えるとき、自分の経験と実践をもとに示すことができるので実感がこもって相手にも伝わりやすくなります。
うまくいかなかった時はとりあえず落ち込みます。その時のことを考えるのも嫌になります。けれど、少し落ち着いて冷静になってみたら「何が起きたのか、どうしてできなかったのか」から始まってとても良い自分自身のふり返りのチャンスの時になります。感覚と記憶がまだ新しいうちにできるだけ詳しくノートに書き出します。その事に関して色々と考えをめぐらせたり、周りの人たちの講評をもとに解決の手がかりが見つかるかもしれません。そのプロセスこそが自分自身にとって大きな財産になります。ここまでネガティブなことが起きた場合ばかり書いてきましたが、うまくいった時のことももちろんどんどん書きとめておくといいですよね。この作業は楽しいものです。うまく出来た時の記憶をできるだけ鮮明に書きとめて、次にも同じ良い経験ができれば良いですよね。
というわけで、良い経験も悪い経験も、自分の都合の良いように活用していけたらいいよね、というお話でした。そして最後にとても大事なことをお話しします。
私たちは今を生きています。過去をやり直すことはできませんし、今から未来を思うようにすることもできません。「今」の積み重ねが未来を作っていきます。そしてこの積み重ねというのは「螺旋階段」のようなものだと私は思います。普通の階段ではなく螺旋階段です。もしかして目の前に大きな壁が現れて途方に暮れることがあるかもしれません。なんで同じ「つまずき」ばかりするのだろう、堂々巡りだ、と思うこともあるかもしれません。けれどそれは一回りして次のステップに進んでいる「似たような、けれど進化した悩み」だと思います。螺旋階段は同じ景色を何度も見ているようですが、確実に上へ上へ上がっていきます。これと同じように、私たちの人生もぐるぐるまわりながらも少しずつ進化、次の段階へレベルアップして行っているのかな、と思うのです。皆さんはどう思いますか? 今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
Viel Spass und Freude am ,musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★