本番というのは色々な面で普段と違います。緊張感があるのは普通ですし良いことなのですが、それがコントロールの効かないものになると「アガリ」になってしまったり...

自分が本番の場面でどのような状態になるのか、そのことによって演奏、もっと詳しくいうとリードがどのように変化するのか皆さんはどれぐらい知っていますか。「本番の状態を想定したリードを準備する」今日のテーマです。

「本番はいつもと違う」という事はわかっていても、いったい何がどう違うのでしょうか。いつも練習している場所は残響がなく乾いた響きで本番のホールはかなり響く。これは自分ではどうしようもない状況ですよね。自分の音の聴こえ方も違う、これもどうしようもないことです。

では、身体的な変化はどうでしょうか。皆さんはどこまで「本番で自分の体の状態はこう変わる」ということを知っていますか?観察、分析できていますか?
具体例として私の場合をお話ししましょう。

私の場合は「本番は口が渇く」というのが基本です。ですので少し軽めかな、吹くのは楽だな、と感じるリードは大抵本番では軽くなりすぎて息の支えどころ(ストッパー)をリードで感じられなくなり次第にアンブシュア→息→体への不自然な負担が増えていきます。結果、自由に演奏しにくくなるのです。では対策は?

「少しだけ厚めかな(重めかな)というリードを吹き込みちょうど良い感覚に持っていき本番を迎える。本番では口が少し渇きぎみの状態で吹くのだがリードに厚みを残しておき、薄すぎる軽すぎるということにならないように、ちょうど良い踏ん張りが効くリードになるようにする」という流れで本番を迎えるようにしています。いつもこんなにパーフェクトにはいかないですが、何を目指すかはっきり自覚しているとかなり取り組みやすくなります。

他にはリードが乾きぎみになりやすいので頻繁に水につけること、口に含んで「ピープセン(リードのみのピーピー音)」をしてアンブシュアの形を保つようにもしています。
飲み物は、コーヒーやお茶、さらには水なども余計に口が乾いてしまう気がするのであまり取りません。「酸っぱいものを想像すると唾液が出てくる」というのがあります。「パブロフの犬」で有名な条件反射ですが、レモンを想像するのはいいかもしれません。あとは奥歯をグッと噛み締めると唾液が出てくる、ような気もします。

このように「本番の時に自分の体はどう変化してリードはどうなるのか」というのを観察してみるとそれに対して自分なりの準備ができると思います。参考にしてみてください。
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