最近、お客様から頂いたご質問です。「リードを良い状態でできるだけ長持ちさせるにはどうしたら良いか」という内容です。ご質問ありがとうございます。誰もが思っていることですよね。私から皆さんにお伝えできることをいくつかお話しましょう。当たり前のこともあるかもしれませんが、なるほどと思われることもあるかもしれません。

二つ前の記事では「演奏中にリードの良い状態を保つ方法」をお話しました。オーボエリードを長持ちさせるには、その良い状態というのを演奏していない時/リードケースにしまっている時もできるだけ継続してあげれば良いのですね。良い状態というのは「適度な開きが保たれている状態」のことです。ちなみに↓の写真は私のリードケースで適度な開きのリードたちです。

「適度な開きを保つことが大切」ということは、言い換えれば「パカーンと開いたり、ピタっと閉じたりという目まぐるしい開閉の変化が続くと良くない」ということです。この開閉の変化が続いてしまうとオーボエリードの劣化も早まります。これには湿度の急激な変化が関係してきます。今の時期は湿気が多いのであまり気にならないかもしれませんが、オーボエリードを吹いていない時にケースにしまわず放っておくと、特に湿度の低いステージやスタジオ、エアコンの効いた部屋の中での練習中/演奏中にリードケースの蓋を開けたままにしておくと、急激にオーボエリード表面と内部の湿気が失われてペタッと閉じたり平行にパカーンと開いたりします。そして次に吹く時はまた水につけて口に含むので、急激に湿気が加わります。このオーボエリード表面と内部の湿度が急激に変化して開閉が頻繁に起こると劣化が早まります。できることならば、適度な開きが長く保たれることが理想的です。そのためには、、、。

★練習中、演奏中はオーボエリードケースの蓋を閉じておく。
★オーボエリードケースは密封型ではなく空気が通るケースを使う。もちろん専用のケースを使います。
私も実にたくさんのオーボエリードケースを試してきました。結局落ち着いたのが写真にあるようなケース内部の湿度がわかるものでした。ケース内には湿度を上げるために水を含ませることのできる部分がありますが使ったことはありません。ちなみに、練習不足の時はこの湿度計が50%を切ったりして「やばい、練習しなきゃ」という目安にもなります。



次に、リードが何本かある場合、できるだけローテーションで吹くのが良いことについてです。練習の初めに全てのリードを吹いて状態を確かめ、その日メインで吹くリードを決めます。そして一定時間吹いたら次のリードに変えます。同じリードを一日中、そして連続して何日も使うと、劣化はどんどん進みます。1本だけを吹き続けるというのはリード自体を長持ちさせる意味でもあまり良いとは言えません。2本、できれば3本良い状態のリードがあること、それを交代で吹いていき、最終的にリハーサル、本番でどのリードを使うか決定していくというのが理想的ですね。私自身もいつもそうしています。

今日はオーボエリードを出来るだけ長い期間良い状態で使うために「私自身も実際に行っていること」を中心にご紹介しました。もう知っているよ、という方もいらっしゃるかもしれませんが初めて知った、という方もいらっしゃると思います。ぜひ試してみてください。今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。皆様からのご質問、受け付けています。多くの方々に知っていただきたいときはこのように記事にもいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
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