どんなに良いリードも時間が経てばへたれてきます。振動が鈍くなり開きもぺたんこになったりするでしょう。でもまだ壊れてはいない、どうにか少しだけでも蘇らせることはできないだろうか、もう少し振動するようにできないだろうか?
私の答えは「やってみる価値はある」です。いくつかの症状に分けてそれに対する解決方法をご紹介しましょう。ただし、最初にも書いたようにリードは消耗品なので、手を加えるとかえってコシや張りがなくなってしまう可能性もあります。そしてこれらはあくまで私のやり方なのでどんなリードにでも当てはまるというわけにはいかないでしょう。とはいえ、リードの基本的な機能へのアプローチなので試されてみる価値はあると思います。(振動はするが重いリードについての対処法は【リードワンポイント】の他の項目に書いてあります。
★振動が鈍くなった、クローが出にくくなったためにすぐに苦しくなる。
→全体がもう少し振動するようにしましょう。方法としては下の図のようにスクレープを少しだけ伸ばしてあげると良いでしょう。振動がリード全体に伝わり復活するでしょう。

★すぐにぺたんこになってしまう。
※このぺたんこになってしまう症状については実はそれほど長持ちする効果のある手直し方法はあまりないと思います。なぜなら材料自体にパワーがなくなってきて閉じてしまうので効果が長続きしないからです。少なくとも私は次の方法を試します。
→もう一度適度な開きと抵抗感を作ります。針金を今よりも少しだけ高い位置に締め直してあげてください。もうひとひねりキツく締めてあげるのも良いでしょう。加えて、下の図のように先端部分とハートのラインの境い目にくっきりと線(段差)をつけてあげるのも方法です。抵抗感が増して多少ぺたんこになりにくくなるでしょう。

★吹き心地がなんだか弱くなってきた。頼りない感じ。
→抵抗感を少し増やすと良いでしょう。方法は下の図にあるように先端部分とハート部分(厚くなる部分)の境い目にはっきり段差をつけてあげます。出来た段差によって抵抗感が増してリードの強さが少し戻ってくるでしょう。気をつけるべきは「その部分以外を落とさないこと」です。

★軽くなりすぎた、出だしがベエーとなる。
→先端部分をほんの少しカットしてあげると重さが出てきます。注意するべきはその先端部分の面積が狭すぎる場合はカットするのはやめておいたほがいいかもしれません。逆効果(音が硬いだけになってしまう)になることもあるので自分の目で見て判断する必要があります。
いかがでしょうか。ただ単に「リードを生き返らせる」のではなく「どのような症状か理解して、それがなぜ起きるのか考え、それに対処する方法を試す」というのが大事だということですね。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★