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【リード・こんな時は】リードが十分に振動しない①

お客さまから頂いた質問に答えていくコーナーです。今回のテーマは「リードが十分に振動しない時はどうすればよいか」です。

(※ お話を始める前に、「十分な振動」の「振動」とは「クロー」のことです。振幅が大きすぎず小さすぎず高いものから低いものまで含まれているクローが理想的な振動です。)

結論だけを書くのは簡単なのですが、せっかくなので詳しくお話ししていきましょう。第1回目は「振動しないとなぜ良くないのか→何が起きるのか」という内容です。一つずつ丁寧に疑問を紐解いていくとただ単に結論だけを実行するよりずっと意味があります。

私自身も、たくさんの時間と労力をかけてリード作りと葛藤してきましたが、デトモルト音大でリードレッスンをするようになって「どんな問題が起きやすいのか」見えてきました。最も多かった3つの中に「リードが十分に振動しない」というものがありました。

では、リードが十分に振動しないと演奏面でどんな不具合が出てくるのでしょうか。

まず、一番わかりやすいのは「吹いていてどんどん苦しくなる、重くなる」ということです。吹き込んだ息が振動に変わって音になるはずがその振動が十分でないと音に反映されにくくなります。音として活かされない息・空気がどんどん体にたまってその結果「演奏がどんどん苦しく」なってしまうのです。

次に、リードが十分に振動していないとその振動がリード全体→楽器全体に通じていかないので結果的に低音域が出しにくくなります。特に低音域のppなど「ぷすー」といって終わりになってしまいます...

次に....リードが十分に振動していないと柔軟性が失われてきます。音の柔軟性、音量の柔軟性、レガートなどの柔軟性...

もうこのぐらいで十分ですよね...裏を返せば「これらの現象が起きた時は、たいてい振動が足りない」と判断して良いと思います。そしてそのための対処する方法を実行すれば良いわけです。

今回は「リードが十分に振動しないと何が起きるのか」という内容でした。もちろんこのお話は続いていきます。苦しい、だけでは終わりません。次回をどうぞお楽しみにしていてください。そして皆さんのリード作りの参考にしていただければ幸いです。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。

Viel Spaß und Freude am musizieren! 音楽に喜びと楽しみを★