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【リード・こんな時は】リードが十分に振動しない②

お客さまから頂いた質問に答えていくコーナーです。「リードがイマイチ十分に振動しないのだが...リードが十分に振動しないとなぜ良くないのか、どんなことが起きるのか」お話ししてきました。

今回は「リードが適度に振動すると何が改善されるのか、どんな点でメリットがあるのか」ということをお話ししましょう。

(※ リードが振動している、この「振動」とは適度なクローの鳴り方のことです。高音域から低音域まで、振幅も大きすぎず適度な「ぎゃー」というクローのことを指します。)

どんな点で演奏の自由度が増すのか。これは前回挙げた内容の反対を考えれば良いですね。

まず、健康的な息の圧力で吹き込める。息を多く吹き込む必要は全くないオーボエですが、少ない量だが適度な圧力で吹き込んだ息が上手く振動に反映されないと苦しくなるばかりです。気持ちよく息を吹き込みそれが振動(クロー)になり音に反映されることで、自由な演奏へとつながっていきます。息の流れが自由になることは非常に大事です。

次に、適度な振動によって低音域の特にppの音などがきれいにスタートできるようになります。必要な要素は振動だけでなく先端のバランスやアンブシュアのことも関係してきますが、ここでは振動(クロー)の話です。適度な振動をするリードに、しっかりと用意されたアンブシュア、滑らかな息、スムーズにスタートできる先端の薄さが加わってppの綺麗な発音に近づいていけます。(今書いていて思いましたが、低音のppについては改めて記事にしないと必要な要素が多すぎますね)

次に、適度な振動というのはリードの適度な開きとコシにも繋がっていきます。ということは、音量の面でキャパシティが大きくなるのです。mpしか出せないリードは演奏していても不完全燃焼になってしまいますが、適度な振動が保たれることによってppからffまでしっかりと表現できるようになります。

これだけ書き並べたらものすごく良いリードじゃないか!と思われるかもしれません。しかし実際に適度な振動というのはそれぐらい重要な要素だということなのですね。

次回からは、「では、具体的にどんなポイントに注目していき何をどうチェックして何処をどんなふうに変えていけば良いのだろうか」ということを一つずつお話ししていきましょう。次回もどうぞお楽しみに。

今日も最後まで読んでくださっててありがとうございます。

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