今日はオーボエ・リードの材料(ケーン)についてお話ししようと思います。
以前の記事でもご紹介したように、かれこれ10年近く定期的にメーカーさんの元へおじゃまして直接材料を選ばせていただいています。工房へ入るとこのように大型の袋に入っている大量の材料が運ばれてきます。ワクワクしますね。

ケーンには直径のサイズによってカテゴリーが分けられています。・9,5 - 10,0mm・10,5 - 11,0mm・11,5 - 12,0mmといった具合です。私が使っているのは 9,5 - 10,0mmです。ちなみに、オーボエのリード として使われているスタンダードなサイズはは10 - 10,5mmです。私がなぜこれよりもひとまわり小さいサイズを使っているかというと、一番人気のサイズに比べて在庫が多くあるからです。他の理由は特にありません。選べる量が多いほど、時間をかけて良いものを選出することができるからです。

さて、次に私なりの材料の選び方について少しお話ししましょう。材料の選び方には色々な好みの種類がありますが、いくつも種類を試してみて、自分に合ったものは何なのか、を知ることが一番大事だと思います。したがって、これからお話しするのは、あくまで私個人の意見で、一人のリード職人の意見として読んでいただけたらと思います。

① 袋の中からランダムにとりだすと色々な特徴の材料があるのが分かります。この時点で、目視で綺麗な円の形になっていないものは省きます。ガウジングマシーンにかけるときに綺麗な円形になっていないと材料がずれてしまってうまくカンナかけができないからです。一番良いのはゲージを使用して綺麗な円形になっているか確かめることです。私も10マシーンに付属しているゲージを持参してチェックしています。

② 次に表面の「表情、顔」をチェックします。シワシワのものは省き、艶があるものを選びます。模様があるもの、無いものどちらを選ぶかは好みが分かれます。私の判断基準は「模様は少なめのものが好きだけど、模様があっても質が良さそうなら選ぶ」です。

③ 続いて中身をチェックします。繊維の荒いものや密度の濃いもの、節のあるもの様々です。ここで私は、できる限り密度の濃いもの、繊維が細かいものを選びます。
文章だけでお伝えするのは難しいかと思いますが、以上の条件が私が材料を選ぶ判断基準となっています。このように判断基準をいくつか設定して自分の中で決めていれば、その後、完成リードを作っていく中で大きな差が出ることが減っていきます。