
私がみなさんに提供できるリードにはいくつかの種類があります。最初はみなさん同じサイズと吹奏感のリードを試されて、そのうちに色々と要望が変化してきます。そのため、写真のように時々一度に数種類のタイプの違うリードを仕上げていくことになります。

ご覧のように5本の中でも全長がずいぶん違いますね。1番長いものは全長73mm、真ん中の2本は1番多くの方に吹いていただいているサイズで全長が71mm、そして右側の2本は、私個人のリードで、全長が70mmになります。ずいぶん長さが違いますが、これで良いと私は思います。一人ひとりの体格、体力、骨格、肺活量が違う、このことに加えてみなさんがお使いの楽器も一つひとつ特徴があって違ってきます。こう考えるとリードも一人ひとりにマッチしたものは少しずつ違ってきて当然だと思っています。私の作るリードは、材料の種類とサイズ、シェーパーの形は決まっているので、その他のアイテム、チューブ、全長、吹奏感の違いを組み合わせてバリエーションを増やすことになります。それでは、自分にあったものをどうやって決めれば良いのでしょうか。そのヒントは「まず機能にこだわること」だと私は思っています。その「機能」とはすなわち「音程が安定していること」「ダイナミックの差がつけられること」「音の始まりがスムーズにスタートできること」です。例えば、音色が良いリードがあるとして、音程はいまいち、発音も少し難しい、という状態ですと、演奏自体が難しくなってきます。音色が良いと初めは「お、綺麗だな」と思いますが、しばらくするとそれに慣れてきて当たり前になります。続いて機能的な問題、「音程」「発音」がよくないことがいちいち目立つようになります。そうすると音楽を楽しむというのが難しくなります。では、機能重視だとどうでしょうか。「音程」「発音」「ダイナミック」という要素に幅と自由が出てくると、身体的余裕も出てきます、そしてその人が表現したいことがどんどん可能になります。結果、「その人の響きと表現」がどんどん出てくるのです。こう言った演奏は、飽きることがありません。少しお話が広がりすぎましたが、みなさまには、どうぞ、リードを選ぶ際は「機能」にまず注目していただきたいと思います。音程が低いようならそれを改善するもの、スムーズに発音しにくいようならそれに対応する、そう言ったカスタマイズを私はみなさまにご提供していきたいと思います。