今日はオーボエリードのご注文に関しての私の思いをお話しします。「お客さまの声」がなぜ大事なのかという内容です。

私はいつも「お客さまのリクエスト」を大事にしています。備考欄に何も書かれていない場合は「よければ色々と聞かせてください」とお伺いしています。そのことによって仕上げていくリードの満足度がグッと上がるからです。オーケストラ、吹奏楽、室内楽、1stオーボエ、 2ndオーボエ、音程が低め/高めになる、特定の音が不安定などなど、、、。どのような内容かによって同じ「KLタイプ(軽め〜やや軽め)」でも仕上がるリードはけっこう変わってきます。ですのでお客さまから「機能的なリクエスト」をいただくことはとても大事なのです。

次の理由です。「お客さまの声」というコミュニケーションツールを通してリードに関する具体的かつ機能的なリクエストを知ります。それをもとに私はお客さまの立場になって仕上げるべきリードのイメージができるのです。こういう状況でこういう機能が欲しいと思う時、私ならばどうするだろうか、どういうリードに仕上げるだろうか。開きは?抵抗感は?材料のタイプは?相手の立場になって最善のものを模索することはとても大事なことです。

そして皆さまにお伝えしたいことは、、、。最初からオーボエが何の問題もなく上手く吹けていたり、リードが何の問題もなく作れていたら「その人の立場になって考える」ということは難しいと思うのです。(自分で言うのもアレなのですが)私はこれまで何度も壁にぶつかって色々と試行錯誤をしてきました。リードのスタイルを変える、アンブシュアを変える、、、。定着していたフォームを1から変えるのは大変でしたし多くの時間を必要としました。

ですが得るものも多くありました。それは「何かが出来ない時、何かが不具合を起こしている時、その理由が自分の経験を通してわかるようになった」こと、そして「問題を解決していくための多くの可能性(引き出し)を提示することができるようになった」ことでした。これは今現在、私自身の活動に大変役立っています。リードのお客さまと直接お会いしてその場で色々と試行錯誤してより良いリードに仕上げ、更に演奏に活かしていけるように模索する「リード調整会」です。

これには私自身のデトモルト音楽大学での講師としての経験も大いに役立っています。リード製作の講師をしていたのですがその時の教授の方針が「さまざまなタイプ、骨格、体格、口の形、楽器、チューブ、音の好みがあるのでそれぞれに柔軟に対応して」というものでした。さまざまなタイプを知ってそれに対しての最善策を見つけていく習慣がついてきたのです。これも今の「リードの販売スタイル」や「リード調整会」で大いに役立っています。

このように、私は常に目の前の人と面と向かって「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤を重ねてより良いものを作ってきました。それが私のスタイルになっているわけです。ですのでこれからも私は「お客様の声」を大事にしていきますし、相変わらず色々とお伺いしていくと思います。
ポチッとしたら希望するものが届くという簡単なプロセスでは決してないですが、一手間かけるからこそ納得いただけるリードが提供できると思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします
今日はこの辺で。Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを⭐️