リード製作販売というのは「リードを売ってハイ終わりではない。」使ってくださるお客様(演奏者)にどんなふうに使って欲しいか、自由な演奏を叶えるために製作者の私に何ができるのか、、、。いつも考えていることですが、今回は具体的に「結構確信を持てたと思えること」がありましたのでお話ししようと思います。

「リード調整会&レッスン in 東京・横浜」という会を1年前から開催しています。今、ちょうど東京に来ているのですが今回で4回目となりました。この会は、オーボエリードを継続的にご注文くださっている常連の(主に首都圏にお住まいの)お客様を対象に、事前にオーダー頂いたリードを準備して当日吹いていただき、更にその方に合うように調整していくというものです。回を重ねるごとに調整は割と短時間で終わって、その後は皆様それぞれ、奏法に関する悩みや今吹いているオーケストラの曲などに関して、私にお伝えできることがあれば解決策を探していきましょう、という内容に進化しています。

私はドイツ・デトモルト音楽大学で、8年間オーボエリード製作レッスンの講師という仕事を通して沢山の学生さんたちと「あーでもない、こーでもない」とありとあらゆることを試行錯誤して解決策を模索してきました。オーボエを吹くこと、その人が使っているリード、そしてその人に合ったリードのタイプや寸法、厚さ、強さは本当に人それぞれです。「こうあるべき」と一つの枠やタイプに当てはめるのは無理ですし当てはめるべきではありません。なぜなら、一人一人の体の作りや骨格、唇の厚さ薄さの違いはその人の「個性」であり、その「個性」が演奏に反映されるのが良いからです。

このデトモルト音大でのオーボエリード製作レッスンを経て、私のモットーは「一人一人に合ったオーボエリードを」となったわけです。初めのうちはキャッチフレーズ的な意味合いでしたけれど、日本で本格的にオーボエリード製作販売を展開し、リード調整会を通じて直接お客様とお会いして試行錯誤するようになって、より一層「一人一人これだけ違うのだから、その違いに対応するべきだ」と確信を持つようになりました。

オーボエリードは作って売ってハイ終わり、ではありません。演奏者であるお客様にとってはそこからがスタートです。皆さんが、自由な演奏や吹いていて気持ち良いなと感じられる奏法、無理なく自然な感じで吹けるリードを共に模索して見つけていく。デトモルトでの経験を通してそう思えるようになったことはとても大事なのですが、現在の私にとってもっと大切なことがあるのです。それは、お客様の方からも製作者である私に向けてしっかりと発信してくださっていることです。もちろん、対面で行うことがベストではあるのですが、そうでなく文章でのやり取りで多くのお客様が「しっかりと現状を見つめられていて、的確に問題と希望を伝えてくださる」ことが私のオーボエリード製作の助けになっています。

どちらか一方だけの発信だけでは成り立たないことです。それだけ皆様が真剣に取り組んでいて自由に吹きたい、音楽をしたい、心地よい演奏がしたいと願ってらっしゃるのだな、と伝わってきます。
今回は、一体何を言いたいのか、、、よくわからない締めくくりになってしまいましたが、ブログの更新も滞っていたのでここで改めて皆様への感謝の気持ちをお伝えしたいと思いました。
いつもありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします🎶