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【独歩(独での歩み)】私とドイツとリードの話⑨

デトモルト音楽大学でのオーボエリードのレッスン、更にクラスの試演会等を通して目の前の演奏をする人を徹底的に観察することにより何か不具合が起こった時に「何が原因でこういう状態にあるので何をどうすればどの部分がどのように改善される」というのを割とすぐに指摘できるようになりました。それが今のリード製作販売にも大いに役立っています。どういうことでしょうか。

オーボエリード アトリエ KOZUKI・工房

私はリードのご注文をいただく際に「出来るだけ詳しいお客さまの情報」を書いて頂くようにしています。楽器の経験年数や使用されている楽器のみならず、現在されている活動形態(オーケストラや吹奏楽、室内楽やソロなど)や取り組まれている曲など... まずはお客さまの現在の状況を教えていただきます。(これらの情報はもちろん個人の自由ですので無くても構いません)

そしてここからがとても大事になるのですが「リードに対する具体的な、機能的な希望」があれば何でもお伺いしています。それは裏を返せばひとりひとりが現在向き合っている課題や問題でもあります。

このホームページの冒頭にも書いてありますが、私は「演奏者が自由に吹きたいように吹ける“その人に合った”リード」を製作のモットーとしています。演奏者であるお客さまの状態を知ることで希望に沿ったリードに近づけることが出来ます。私自身がありとあらゆる経験を(オーケストラ、吹奏楽、室内楽、室内オーケストラ、民族音楽アンサンブル、教会音楽)してきたので皆さんの取り組まれている曲や形態はほぼ把握しています。

「お客さまから伺った状態でこの曲、私ならこういうリードで吹きたい」とイメージしながら作ります。そこに“吹奏感のリクエスト”が加わります。

さらに、私自身もたくさんの試行錯誤と七転び八起きを繰り返してきたので、演奏者であるお客さまの向き合っている課題、問題がよく理解できるのです。

経験の数はそのまま引き出しの数だと思います。この場合はこれ、そういう時はこう...一番理想的なのは対面で吹かれているのを聴いて微調整していくことですがホームページを通じてのご注文でも、できる限り「お客さまの声」を聞くことにより今では多くのお客さまにリード注文のリピートを頂いています。一方的に完成したものを送って終わり、ではなくてそこからがスタートであると考えています。

【独歩(独での歩み)】ドイツと私とリードの話。長いシリーズになりました。ドイツにいた長い時間、今はその時間を通して得た多くの経験をリード製作販売に活かせています。そしていつもたくさんの情報と声かけを下さる皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。これからも少しずつ思いついたことやお話ししたい事を綴っていきます。どうぞお楽しみに。