イングリッシュホルンはとにかく大きな音が良い、そう思い込んでいた自分。今日は、それを試してみた結果どうなったか...というお話しです。

少し時系列的には前後するのですが、【イングリッシュホルン】1回目ブログのバンベルクにオーディションを受けにいく前のことです。
私は、オーケストラで働きながらドルトムントにある「Orchester Zentrum NRW」というコースでも学生を続けていました。そこのカリキュラムの良いところは「Probespiel Training」というオーディショントレーニングというものが定期的にあり、毎回違ったオーケストラの奏者が審査員&レッスン講師として来てくれることです。もちろんさまざまな奏者がいて合う合わないはあるとは思いますが、とりあえず色々な方法があると言うことを知りたかった私にとっては、とても都合の良いカリキュラムでした。
とあるオーケストラのソロ・イングリッシュホルン奏者が講師だった時のこと。その方は体格も良く音量も大きかったので、当時「大きい音を吹くにはどうすれば良いのか」と思っていた私は、とにかくその人の真似をしてみることにしました。
幅の大きなリード、ボーカルは太めです。しばらくその状況で頑張りました。その結果、どうなったでしょうか。

(結論から話しますと)その結果はバンベルクのオーディションで言われたことです。音量が大きければ良いというわけではない。いかに浮き立つ存在で主張できるか。それと爆音は必ずしも一致しているわけではない。
今思えば、自分の演奏にはかなり無理があったのです。とにかく大きな音で遠くまで音を飛ばしたい。しかしそのサイズが万人に合うというわけではないのです。ボーカルは太めで幅が広めのリード、これらを十分に吹きこなすためには息の量が足りなかったのか、体のサイズが合わなかったのか、今となってはよく分かりません... が、大きい音を出している気にはなりますが、結局は遠くまで飛んでいる音ではなかったのです...おまけに幅が広いリードというのは、音程が不安定になりやすいため、自由な演奏になりにくくなる、という欠点もあります。更に言うなら、長めのオケスタ(オーケストラのオーディションで課題になる代表的なオケの中のソロ)が吹き通せないのです。ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」などが良い例です。

あれが出来ない、これも出来ない....もう十分ですよね(汗) 試行錯誤が続いて途方に暮れて...で終わりならばこのブログを書く意味はありません。私なりに解決策を見つけた、と言うお話を次からはしていこうと思います。
結局、自分に合っていなかったボーカルとリード...どのようにして自分にとって合うものを見つけたのか、そしてどのようなタイプに落ち着いたのか。
次回はもう少しポジティブな内容になると思われます。
今日はこの辺で...いつも私のブログを読んでくださってありがとうございます。皆さまのご意見、ご感想、ご質問などが私にとっての大きな支えになっています。ぜひ、お問合せのページから皆さまの声を聞かせてください。
音楽に楽しみと喜びを★
Viel Spaß und Freude am musizieren!