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【イングリッシュホルンリード】私が考えるイングリッシュホルンリードのクリアするべき条件

イングリッシュホルン(E.H.とも書きます)はオーケストラの中で大活躍する楽器です。オーケストラの中で「吹けばそのままソロになる楽器」といっても過言ではありません。

そんな特殊楽器イングリッシュホルン。販売されているオーボエリードの種類は多いですがイングリッシュホルンのリードはそれ程多くありません。さらに、自分で作ったイングリッシュホルンリードを実際に吹かれる方もそれ程多くはないと思います。使うケーンやチューブ、マンドレルなどがオーボエとは全く違うこともありますがもう一つの理由に「判断基準、お手本となるメソードが極端に少ないから」が挙げられるのではないでしょうか。

今回は、イングリッシュホルンリードを作る時「どのようなポイントを重要視しているか」、そして出来上がったものを買われる方々は「どういう判断基準でリードを選べば良いのか」という内容をお話します。

★まず最も重要なことは「音程」です。オーケストラの中で吹けば目立つソロ楽器、音程が不安定だったりすると周りと合わないばかりかソロを吹くのでさえ苦しくなります。聴いている側は「あぁ、苦しんでいるな」とすぐにわかる、非常にバレやすい機能的要素が「音程」です。自作をするときも、完成したものを選ぶときも運指で言うと特に「①真ん中のCをディミヌエンドすると音程が下がらないか」「②第一オクターブキイで言うFis、G、Gisが安定しているか」チェックする必要があります。

では、上記の音たちが不安定だった場合何が原因なのでしょうか。①の真ん中の「C」に関してはボーカルが合っていない可能性、そしてリードの材料が柔らかすぎることが考えられます。②の「Fis、G、Gis」に関しては材料が柔らかすぎる可能性が考えられます。加えてシェーパーの幅が広すぎる可能性もあります。(あくまで私の経験からお話しているので全てのケースに当てはまるとは限りません)

★次に大事なことは「音の鳴り方が均一であること」です。良い音が大事と言うよりも、音程が均一にとれた上で鳴り方が均一であることです。具体的に説明します。第二オクターブキイ以上の音になっても(高い音域になっても)音の幅、ボリューム感が保たれることが好ましいです。イングリッシュホルンは何の工夫もしなければ音域が高くなると音量が先細りしてしまう楽器です。(これに関してはリードだけの問題ではなく楽器とボーカルとの相性もあり、なかなかややこしい課題なのですが)リードに関して具体的に言うならば「高音域になって息をしっかりと吹き込んでもそれに対応/反応してくれるものが必要」といったところでしょうか。ではどんな要素でそれが可能になるのか。開きがちゃんと保たれるリードというポイントが重要になります。むしろ初めの方は少し開きがある方がしっかりと吹き込んで馴染ませていくことができると考えています。

★次に音色に関してです。イングリッシュホルンは、そもそも「明るすぎる」となることは稀な楽器です。楽器の音色がそもそもボワーっとしているので、さらに暗い、柔らかい音を求めて音程などの機能を無視したりすると、輪郭がぼやけてはっきりしない、さらに特定の音の音程が不安定なものになってしまうリスクがあります。そしてそれは結果として響いていないことにもつながります。芯のある、しっかりと吹き込める、適度な開きがあり高音域も先細りしにくい、こんなリードが理想だと考えます。

★最後に、そんなリードを作るのに必要な材料の性質は「しっかりとした強そうな、張りのある」ものだと思います。詳しくはこちら(↓)ブログの記事に書いてありますので参考にしてみてください。

今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★