Homeブログオーボエを吹くということ

【ピープセンとその先のこと】③吹き込みすぎないことが大事

「ピープセン(リードだけでピーピーと音を鳴らすこと)」について本間州さんのYouTubeでライブトークをさせて頂いて3ヶ月余りが過ぎました。レッスンやリードのお客様からのご意見などを通していくつか再認識したことがあります。このブログを読んでくださって「ピープセン」を実行してくださっているであろう皆様にも「私が最近改めて思ったこと」をシェアしたいと思います。YouTubeはこちら⬇️です。全部を見るのは時間が、、、という方は47分あたりから「おさらい」という形でお話ししていますのでご覧ください。そしてぜひ一緒に実践してみてくださいね。

さて。この動画を観られた方の中には「すごくよくわかったが実際にピープセンをやってみるとどの程度の音量の幅が正しいのかわからない」「ピープセンをやってみてわかったつもりだけれど、実際に楽器にリードをつけて吹くと途端に感覚が失われて正しいかどうかわからなくなる」と感じたことがあるかと思います。

そういった「これってどうなの?」という疑問について一つずつお話し、説明していこうと思います。今回は「どれぐらいの音量が良いのかわからない」という疑問についてです。ネタバレにはなりますが先に書いておきます。「リードをオーボエにつけて吹いた時に音が開きすぎている、まとまっていないと感じたらそれはピープセンの音量が大きすぎる、音がまとまっていない可能性が大きい、つまり息の量を吹き込み過ぎている」これが結果です。説明していきましょう。

動画を通して聴こえる音はマイクを通しているのでどうしても「実際にどれぐらいの音量なのかわからない」と思います。そしてこの数ヶ月の間のレッスンを通して思ったことは「ピープセンの音量を出しすぎているかも」ということでした。これはすなわち「頑張りすぎている」ということです。なぜこの「頑張りすぎていること」がNGなのでしょうか。

これは既に何度もお話ししていることですが「オーボエリードの開きというのは本当に狭くそこに入る息の量にはそもそも限りがある」ということをまず知ることが大事です。これは「オーボエリードに一生懸命たくさんの息を吹き込むことはあまり意味がない」という結論になります。どういうことでしょうか。

狭い開きのリードに大量の息を一生懸命に吹き込んでも必要以上の息は報われません。結果、無駄な息が多すぎて音(音の鳴り方)は通りにくくなります。音が散らばるだけでまとまらないのです。しかも一生懸命吹き込んでいるのに報われない息がどんどん溜まってくるので体への負担が増していき「苦しそう」に見えてきます。実際苦しくなります。ブレスもままならなくなり演奏が崩壊しかねません。「無駄な息は無駄に散らばる音にしかならない」ということを知るのが大事です。

「音をまとめる」ということは「息をまとめる」ということであり「息をまとめる」ということはすなわち「ピープセンの音をまとめる」ということになります。「まとまったピープセンの音」というのはどういうものかというと「★吹き込みすぎない、★音量は割と小さくて良い、その代わりに★細くてスピードのあるまとまった息、★音程は“H“、“C“、“Cis”あたりを行ったり来たりできる」というものになります。(更にこれに「無理をせず自然に吹いているように見える」が加わるとなお良いです)

これが「あなたの自然で普通の形とそこから紡ぎ出される音」になります。まずはここからです。それがきれいな音、まとまった音になります。大音量や低音のPPはその先の話です。まずは「あなたにとっての自然で普通の形」をつかみましょう。

そして、今回の記事の最後に書くのもどうかと思うのですが、、、「ピープセンをするときのアンブシュアの形」は一人一人の骨格や歯並びが違うように「その人にとってベストなピープセンをする口の形」は人によってさまざまです。こればかりは自分で見つけないと、、、。

ただ、基準となる目安はあります。ピープセンで出てくる音の高さ、音程です。これについてはYouTubeで全てお話ししているのでご覧ください。このテーマについてのお話は続いていきます。このブログやYouTubeをご覧になって疑問に思われることやご意見などありましたら「お問い合わせフォーム」からご連絡ください。今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に喜びと楽しみを★