音階練習、オクターブの練習、退屈なエチュード、、、。やれと言われるからこなしているけれど、一回通したらすぐに曲を吹く。本当にそれで良いのでしょうか。エチュードの意味とは？今回は、とっても意味のあるエチュードへの取り組み方についてお話ししたいと思います。長くなるので数回に分けてお話しましょう。

エチュードについてお話しする前に、次のことについて皆さんに心当たりはないでしょうか。

例えば吹奏楽やオーケストラの曲でオーボエパートにソロがある。なかなかややこしい指使いで跳躍もあるし表現の仕方がよくわからない。合奏もあるしソロの部分を仕上げないといけない。次のレッスンではこれを見てもらおう。

そして、ひたすらこの「ソロの部分」を「テンポ通りに」練習し続けます。何度もさらう、何度吹いても出来ないけれどひたすら反復練習をしている。指定の速度のまま（in tempo)で練習し続ける。出来ないからちょっとゆっくり吹いてみるけれどやっぱり吹けない。こんな経験ありませんか？

指定の速度(in tempo)で吹けないことを100回繰り返しても「出来ない経験」を積み重ねるだけで全く意味がありません。速いパッセージ（吹く部分、メロディ）ならば「どの箇所が“実は“出来ていないのか」分析した上で、細かく分解して、丁寧にリズムパターンなども取り入れて練習します。ゆっくりなフレーズならばその音に関連するオクターブのロングトーンなどを通して音そのものを充実した響きにする練習などを取り入れる必要があります。これはほんの一例でパッと思い浮かんだことを書いてみました。他にもさまざまな練習方法があります。

（繰り返しになりますが）失敗経験を繰り返すだけでは全く意味がありません。ゆっくり少しずつで良いので成功体験を積み重ねていくことで確かな演奏に繋げていく、これが正しい意味のある練習方法です。楽譜に書いてあることをそっくりそのまま何100回も吹いて「出来ない、どうしたら良いかわからない」期間を長く過ごしていないでしょうか。

とはいえ、ここに書いただけでは全てが伝わるはずもありません。

この「頑張っているのに上手くならない」のを実際に解決してくれるのが専門家によるレッスンです。どうすれば良いのかわからない、それを解決できる方法（引き出し、と私は呼びます）を多く持っていて上手く生徒さんに伝えるのが専門家による指導です。やはり、具体的な方法を知りたいのであれば専門家にレッスンを受けるのが一番早いでしょう。

そして日々、皆さんを助けてくれるのがエチュードです。エチュードについてその意味と効果をお話しするまでには少し時間がかかりますので、今日はここまでにしましょう。今回はエチュードの大切さをお話しする前の前置きでした。最後まで読んでくださってありがとございます。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★