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【このリードはもう古い、どうやって判断するのか】

定期的にレッスンを受けていないと「どのタイミングで、どういった判断基準で“このリードはもう古くて使えない“と判断したら良いのか分かりにくい」ことってありませんか。頂いたご質問について、おそらく多くの方々が同じような疑問を持たれているのではないでしょうか。今回は「リードが終わったと判断する基準」について、更に「体への影響」と「音への影響」についてお話ししていきましょう。

★どう判断するか(具体的なリードの状態)→これは、元々は開きがあったのに経年劣化(使っていき古くなること)によって吹いていたらすぐに閉じてしまうリード、そして開きが少なくなってクローがほとんど鳴らなくなったリードという状態が「このリードはもう使えない」と判断するべき基準になるでしょう。ただし、もともと開きが極少なめで仕上げたリードは話が違います。ここで言っているのは「元々は開きも適度にあり振動もしていたリード」に関してです。

★体への影響は?→開きがほとんどないリードは圧力をかけたらすぐに閉じてしまうのでアンブシュアを保つ力はあまり必要ありません。ですので口が疲れることも少ないでしょう。しかし、開きがほとんどないリードは振動もほとんどしていないので息も入りにくくなります。そして、そういう状態のリードに順応した吹き方になっていきます。その結果、、、、、

★具体的な音への影響は?→これらの「もう使えないと判断するべきリード」をぺたんこのまま吹き続けると、音量の差が出しにくくなります。強い音が出せない、そしてぺたんこに近いので発音もままならなくなるでしょう。結果、「p以上、mp未満の演奏」で音の出だしも「ぷすー」となる、、、。

こういったリードを吹き続けたら、自分自身の演奏技術の向上がストップするだけでなく、音楽を表現したいと思っても出来にくくなる可能性があります。結果、強弱も表現も極めて幅が狭い演奏になってしまいます。もったいないですね。思い切って新しいリードをローテーションに加えたほうが良いでしょう。

繰り返しになりますが、今回のお話の内容は「あくまで、もともとはその人にとって適度な開きと振動があったリード」についてです。初めから開きの少ないリードに対する考察ではありません。

リードは消耗品で、かかるお金もバカになりませんよね。ですが、せっかくオーボエを吹きたくて取り組んでいるのでしたら、良い状態のリードを数本ローテーションで回して使っていったほうがぺたんこのリードを吹き続けるよりも健康的に演奏できます。時間差で新しいリードを導入していけば、リードが劣化して終了するタイミングもずらすことができます。オーボエリード職人である私は、皆さんに「出来るだけ良い状態のリードを長く使って欲しい」と思っています。

今回は、レッスンを通して頂いた質問で「どういったタイミングでリードがもう古くて終了したなと判断したら良いか」という内容に対るす私の考えでした。最後まで読んでくださってありがとうございます。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★