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【オーボエ奏法】音程のこと①チューナー

普段私たちがオーボエを吹いている場面というのは、個人で吹いている、アンサンブルで吹いている、吹奏楽で吹いている、オーケストラで吹いている、ピアノと一緒に吹いている、、、、このようにたくさんのシーンが挙げられます。その中でもオーボエはアンサンブルの中に入ると「最初のチューニングの音を出す」という役割を任せられることが多いですね。オーケストラはもちろんのこと、(吹奏楽は申し訳ありませんが今私にはわかりません)室内楽などでもオーボエがチューニングの音を出すことがほとんどですね。その際に使うチューナー。みなさんいつもそばに置いていると思います。今日はそのチューナーについて私なりの考えをお話ししようと思います。

【チューナーの役割は?】早速ですがチューナーの役割はなんでしょうか?私は「チューナーは単なる目安」だと思っています。そして「必要最低限しか使わない、必要最低限しか使わなくて良いようにしていく」と思っています。それはなぜか?

なぜ「チューナーは単なる目安」なのか?それはチューナーが機械(マシン)だからです。私たちが演奏や練習や合わせを始める前にチューニングをする際に自分の音程を正しいポジションとして確認するためにチューナーは必要ですが、演奏が始まると、演奏をしていくのは人間であって機械は必要ありません。そして人間が楽器を演奏している以上、楽器の音程は少しずつ変化していきます。管楽器は基本的に吹けば管が温まり音程は上がっていきます。その中で音程を寄り合わせていく、周りの音に耳をすませながら自分のポジションを見つける。私たちは演奏中、合奏中にこれを自然にやっているのです。最初に始めた音程から時間が過ぎるにつれて多少全体的な音程が変わっているかもしれませんが、全く問題ありません。大事なのは全体の音程がうまく寄り合っていることです。柔軟性こそ大事なのです。ここに「機械のチューナー」は必要ありません。  ※演奏形態によっては音程が基本的にはそう簡単に変えられないもの、例えば大きなもので言えばパイプオルガン、コンパクトなもので言えばピアノ、まれにですが電子音と一緒に演奏することがあります。その場合はそういった楽器の出す安定した音程に寄り合わせていく必要があります※

もう一つ。チューニングの時、そして自分一人でAやBの音の高さを確かめる時にチューナーの目盛りを見て最初は音程をあわせるわけですが、それを何回となく繰り返していると危険なことがあります。それは「目で音程を合わせてしまう」ことです。チューナーの目盛りのど真ん中を目指して合わせることに気が向いてしまい「きちんと自分の音を聞かなくなってしまうことはとても危険」です。私たちが演奏していくにあたって大事なことは「目盛りを見て音程を合わせることを繰り返すことではなく、一度合わせた音程を記憶していく=耳をきたえる」さらに「そこから始めて、いったん演奏が始まると周りの音に耳をすませて微妙に変化していく音程に柔軟に対応していく」ことだと私は思います。

オーボエはその通りやすくて鮮明な音色ということもあって多くの場合にチューニングの音を出す担当になります。そして自然と正しい音程について色々と取り組んでいくようになります。いつも自分の音が基準として始まるからです。これから数回にわたって「音程」についてお話ししていきたいと思います。第一回目は「チューナー」に注目してみました。今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。

Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★(2020年3月20日)