以前にもこのテーマについて詳しく書いているのですが、今日はその補足的な意味で、そして私自身が再確認したことなので、忘れないうちにお話ししようと思います。
発音をスムーズにするためにリードからアプローチする方法はもうお話ししました。こちらを参考になさってください。
先端と両端のバランスは整っているはずなんだけど、イマイチまだ発音がスムーズにいかないな...と感じられたことはありませんか?そんな時私は、
「さらに詳しく、バランスをチェック」しています。
その前に、リードの先端について私が持っているイメージをお話ししましょう。クラリネットは極小の音量から始めることができ、極小の音量まで絞って終わることができる楽器です。ドイツ語では „ins Null“ (無に、ゼロに向かう)と表現しますがまさにそんな感じです。その表現をリードを仕上げていく中でイメージして反映できると私は思います。本当にミクロのレベルでの先端はゼロに近い、そこから徐々に厚くなっていく。中央が一番厚く、両端は大体同じぐらいの薄さが良い。これが私のリードの先端のイメージです。もちろんそこには「良い材料」である事が大事ですし、「極小まで音量を絞れる、始められる、終われる息と支えとアンブシュア」も必要です。けれど、今日のテーマはリードに絞っているので材料と演奏技術はここではふれません。
話を今日のテーマに戻しましょう。先端部分、中心と両端のバランスは良いはずなんだけど、まだスムーズとは言えないな、という時。そんな時私は
「さらに中央と両端の中間部分のバランスをチェックする」ようにしています。
上にも書いていますが、リードの先端の数値は中央から両端に向かって徐々に薄くなっていくわけですが、この中心と両端の真ん中のポイント、裏の部分も含めて4つのポイントのバランスはどうなっているでしょうか?私自身、削り方に癖があり、左側よりも右側が厚めに残る傾向があります。この先端部分は本当に繊細で0,01〜0,02の違いで大きく変わってくる部分でもあります。そしてそんな繊細な部分のバランスをチェックするには、私は必ずキャリパーを必要としています。
皆さんにも、削り方の癖がそれぞれあると思います。自分はどんなバランスで削っているのかな、それを知って必要に応じて修正してバランスを整えることで、リードがスムーズに振動し自由な演奏に近づいていくのではないか、と私は思います。今回はそのバランスについて、先端部分にスポットを当ててお話ししてみました。参考になれば嬉しいです。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★
(2020年10月24日)