母校デトモルト音楽大学でリードレッスンの講師として働くことになり次なる試練にぶち当たることに..... どういうことでしょうか.....

タイミングと言いますか縁といいますか... どこで何があるかわからないものですね。オーケストラでの仕事が一区切りついた頃、母校であるデトモルト音楽大学の教授のもと、リードレッスンの講師として働くことが決まりました。自分がこれまで積み上げてきたやり方が、音大のリードレッスンという形で広められる!!と意気込んでいた私ですが..........
実際に当時の教授と会って話をしたのですが教授から聞いた言葉は自分が思っていた言葉と全く違いました。

「一人ひとり違う、それでいいんだ、一人ひとりに合った対応を」今思えば、私のリード作りのポリシーはここからきているといえるのです。
デトモルト音大の学生だった時は「これだけは譲れないというやり方」があってその指導のもと自分のリードもアンブシュアも変えてきました。その結果演奏の自由度は格段に上がったので、自分の中では「徹底したやり方」が普通なのだろうと思っていました。
新しい上司(教授)の考えは「国籍も違えば音の好みもタイプも違う。人それぞれの体格や骨格がある。それに加えて楽器も色々な種類があるしリードのタイプもさまざまだ。アンブシュアも音色もね。Masakoに全て任せるから一人ひとりに柔軟に対応してあげてそれぞれの良さが出てくるリード作りを指導してあげてね」
えーーーーーーー!!!何だか丸投げのようにも聞こえるんですけど... とりあえず皆の様子を見てみよう...

とりあえずリードレッスンをスタートしました。オーボエクラスのメンバーはドイツ、スペイン、ロシア、イタリア、ギリシャ、ハンガリー、韓国、台湾、日本.....と国際色豊かで楽器の種類はMarigaux, Yamaha, Loree, Frank, Mönnig, Buffet, Josef….. 何とまあ.... リードの種類は... もうそれぞれバラバラです(苦笑)..... そして「自分」アピールが強い子ばかりで(これは音楽の表現者としてはとても重要なので良いのですが)頼もしいというか何というか...

これは大変なことになりそうだ....そう思った私でしたが、意外とそうでもなかったのです。むしろ「なるほど、この事に重点を置いて見ていけば大丈夫だ」という思いが強くなりました。楽器の種類が違おうとリードの種類が違おうと、音のタイプや好みが違おうと共通することがあるのです。それは何でしょうか.....
【独歩】私とドイツとリードの話、どんどん進みます。次回は母校の音楽大学でリードレッスンを始めて改めて確信したことなどです。どうぞお楽しみに。
※独歩ーーみんな大好き岡山の地ビール(私も大好き)という意味ではありません。ドイツの意味と地道にコツコツ努力してきたイメージ(独立独歩)を重ねています