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【独歩(独での歩み)】私とドイツとリードの話⑦

思いがけなくデトモルト音楽大学でオーボエリードのレッスンを担当することになり.....国籍も吹き方も楽器もリードもバラバラな彼らとのレッスンが文字通り見切り発車的にスタートしました...

私はオーボエリードを作っていく中で「機能的な要素」を一つずつクリアしていくことをとても大切にしています。これまでのブログの記事でも何度もお話ししてきたことです。キーワードと簡単な説明をします(それについて詳しく書いた以前の記事もご紹介します)。

適度な振動... クローが低音から高音までまんべんなく鳴ることです。

適度な抵抗感... 適度な抵抗感でアンブシュアにかかる負担も適度になります。軽すぎても重すぎてもアンブシュアへの負担は増します。

適度な張り... これは材料の内径も関係してきます。と同時に適度な張りのある材料は密度が詰まっていてしなやかで柔軟性に富んでいるので良い音にも繋がっていきます。

①適度な振動 https://kozuki.de/blog/oboe-reed-making/1171.html

②適度な抵抗感 https://kozuki.de/blog/oboe-reed-making/1188.html

③適度な張り https://kozuki.de/blog/oboe-reed-making/1216.html

この最低限の要素は、楽器メーカーが異なってもリードのタイプが異なっても共通してクリアすべき大事な要素になります。これらの機能をクリアしていないと演奏そのものが困難になるからです。

これらの要素をもとに私が進めていたリードレッスンの流れは「楽器とリードと人がうまく機能しているかチェック」→「何か問題があるならばそれはどこか探す」→「その問題がリードに原因がありそうならば、上記の条件を一つずつチェックしていき」→「一般的な情報も参考にしてその楽器に合うアイテムを試していき」→「最終的にその人と楽器に合ったアイテムで作っていく」という感じでした。

この「基本的機能の柱は固定する」ことは私がデトモルト音楽大学の学生だった頃から身につけていったセオリーで、それに加えて「基本的な機能はおさえて、楽器やそに人ごとに合ったアイテムを見つけていく」という観点を加えて柔軟に対応できるやり方を作っていきました。

割と簡単にまとめましたが、実際には試行錯誤ばかりで何度もやり直したり、ああでもないこうでもないということの連続でした。ですが結果的にはこの道のりも今の自分のリード作りに大いに役立っていると思っています。

さて、このリードレッスンを通して私が身につけていったことは他にもあります。【独歩(独での歩み)】私とドイツとリードの話はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。