お客さまから頂いたご質問に答えていくコーナーです。リードが十分に振動していない時はどうすれば良いのでしょうか。「十分に振動しないとどんな不具合が起きるのか」→「十分に振動していると演奏面でどういうメリットがあるのか」ということについてお話ししてきました。今回は「具体的に何処をどう改善していけば良いのか」についてです。一つずつ見ていきましょう。

まず一つ目です。リードが十分に振動しているということは、木(葦)の部分、吹く部分が自由に動いているということが言えます。木の部分とは「糸巻きの一番上からリードの先端まで」のことです。この木(葦)の部分が自由が効かない状態だと振動しにくくなります。当たり前のことに聞こえるかもしれませんがとても大事なポイントです。
では、自由に動いている(=十分に振動している)状態を作るためにできることは何でしょうか。
私の考えは「巻き上げの先端、糸巻きの先端部分すなわちチューブの先端部分に向かって材料が自然なフォームで閉じているかチェックする」というものです。次の写真たちでお分かりでしょうか。



隙間が空きすぎたら息漏れどころかスカスカ状態になります。これは息漏れ防止テープなどで修正できますが、もっとよくないのは「材料がぎゅうぎゅうに締め付けられている状態」だと思います。まるで鶏の首を絞めたように「きーーーー!!!」という苦しい金属的な音になるか、振動しにくいのでむしろ音が出にくくなるか...といったところでしょう。下の写真をご覧ください。シェーピングした材料(プッペ)をチューブに設置している様子です。



結論から言うと、「材料が自然な形で閉じていくことを重視するべきなので使うシェーパーやチューブの太さによって全長は変えて良い。何ミリのチューブの全長は必ず何ミリ出なければならない、ということは無い」と私は考えます。その結果、材料を締め上げすぎて振動しにくくなったら意味がないからです。自然な形で閉じていくフォームを見つけそのポイントに合わせて全長とする。これで良いのではないでしょうか。

(補足ですが)材料を締め上げすぎないためには「糸巻きの際、チューブより上には巻かない方が良い」ことも念のため書き加えておきましょう。
リードが十分に振動していない時にチェックできるポイント、まず一つ目でした。他にもいくつかポイントがあるのでそれはまた次回にお話ししましょう。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
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