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【オーボエリード】ポイントを絞った機能を目指すことが大切なわけ②

前回の内容の続きです。前回の記事はこちらになります。

簡単ではありませんが、オーボエリードがちゃんと機能するために必要な要素(スムーズな発音、自然に鳴り始めるクロー、ピープセンである程度の高い音を鳴らしてもぺたんこにならない適度な開き)をクリアすればかなり良いリードになります。同じリードとは思えないような素晴らしい吹き心地のリードに生まれ変わることもあります。シェーパーが同じ形でも、チューブをわざわざ買い替えなくてもです。

リードに不具合を感じている場合の多くは、この機能的要素が達成されていないケースがほとんどです。もしこれらの機能的要素を突き詰めてみた上で、それでも何かしらの不具合や不自由感を持つのならば、次は何のアイテムが適していないのか突き止めていきます。

何故このようなことを強調するのか。それは、何故か気に入るリードが出来ない、だけどその理由がわからないというケースがあり、そこでこの記事でお話ししてきた「機能」を徹底的に追求するとアイテムを変えなくても本人にとって良いリードに変わったというケースを多く目の当たりにしているからです。

そして今思い出したのですが、デトモルト音大でのリードレッスンで取り組んでいた内容がまさにこれと同じでした。楽器もバラバラ、使っているチューブも様々、ケーンの種類も内径の大きさも色々、、、。そんな学生さんたちの集まりでしたが、一貫して「機能的要素の達成」に向けて取り組みました。ハンガリー、ギリシャ、イタリア、韓国、台湾、ポルトガル、ドイツ、、、。聞いただけで様々な特徴、個性がありそうですよね。そんな彼らに「楽器のメーカーを真似しろ」「チューブはこれが良い」「シェーパーはこれでなきゃ」と言うことはしませんでした。それぐらい個性と自己主張のはっきりした人たちでしたし、経済的な理由からも彼らの判断に任せるべき状況でもありました。

そういう人たちに対して私に出来るベストなことは「今あるアイテムで、最低限達成するべき機能的要素を徹底して追求」していくことでした。もちろん、明らかに変えた方が良いアイテムはすぐに変えました。例えば材料です(材料についてはここでは言及しません)。

かつての経験が今の自分のスタイルに生きているのだな、と感じている今日この頃です。最後まで読んでくださってありがとございます。

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