私がオーボエリード を完成していく中で、どんな点に気をつけて、こんな場合はどのように対処したら上手くいきましたよ、とお伝えしていくシリーズです。今日のテーマは
リードの発音が上手くいかない、スタートがスムーズにできない、pやppの発音が上手くできない
こんな時、私ならどのポイントに着目して対処していくかお話ししようと思います。
オーボエ奏者にとって、最も重要な課題の一つに「スムーズな発音、p、ppの綺麗なスタート」が挙げられるのはみなさんご自分の経験からよくご存知だと思います。スムーズで綺麗な発音ができれば、演奏全体がとても豊かに美しくなっていくことは事実です。オーボエの難しいところでもあり、逆に魅力でもあります。そしてリードの調子が悪いと往々にしてこの問題「上手く発音できない、p、ppのスタートが綺麗にできない」が出てくると思います。スムーズな発音を成功させるためには、いろいろなアプローチの仕方があります。息の流れ、息の準備、アンブシュアの準備、イメージ、たくさんありますがリードの機能もその一つに数えられると思います。リードのバランスが悪いと「爆発音」か、「す〜〜」と発音できないか、「ぷっ、ぷっ、、、」という連打になってしまうか、とにかく最初のスタートが上手くできなくなります。そんな時のリードの対処法についてみなさんはどうされていますか?
私がチェックして修正を加える場所は
【先端3箇所のバランス】
です。先端はとても薄く敏感な場所なので細かい数値でバランスを整えていく必要がありますので、キャリパーを使って測っています。下の図のように

【先端の両端と真ん中】のバランスをキャリパーで測って整えます。
リードの先端部分は、スムーズな発音、柔らかい出だし、p、ppになっても綺麗に発音するためにとても重要な箇所となります。私が測る点は3つです。下の図をご覧ください。リードは基本的に先端から下に向かい厚くなっていきます。また、端から中央に向かって厚くなっていきます。そして基本的には「左右対称」という厚さのバランスで仕上げていっています。ということは3つのポイントのうち、両端は同じ数値で真ん中よりも厚めになります。それをキャリパーで測って理想的な数値(バランス)に整えていきます。このキャリパーはひと目盛りが0、01mmになります。

上の図のように、必ずしも両端が8(0、08mm)で真ん中が10(0、08mm)になる必要はなく、大事なのはバランスです。両端が中央に比べてほんの少し薄めであることが重要です。キャリパーがない場合は、下の写真のようにプラークを挟んで見た目で判断するのも良いでしょう。

人の手先の癖としてよく起こるのが「両端がずいぶんと厚め」になってしまうということです。両端の先端がかけてしまうのを避けるためにその箇所を削りにくいというのも原因かもしれません。キャリパーで測ればすぐわかりますが、プラークを挟んで目視でもわかる場合が多いです。例え測る機械がなくても、見た目で「バランスが良さそうかどうか」は結構わかると思います。そして裏も表も整えたリードは、前に比べてずいぶんとスムーズに発音、スタートできるようになると思います。
試してみてください。リードって本当に奥が深いですよね。今日はこの辺で。最後まで読んでくださってありがとうございます。
Viel Spass und Freude am musizieren! 音楽に楽しみと喜びを★(2020年7月4日)