さて、ディーミゲン先生との出会いでイングリッシュホルンの演奏が随分と楽になったというお話しをしましたが、今回は「どんなボーカルにシェーパーを使っているのか」という内容です。何度も書いている事ですが、これは私の場合であって万人に合うというものではありません。一つの例として読んでいただければ幸いです。

イングリッシュホルンはMönnig (ミューニヒ)です。しばらく前から流行っているディアモンドモデルではなくスタンダードモデルです。
ボーカルはMönnigオリジナルで金メッキのものです。今の楽器を買った時に選んだオリジナル金メッキボーカルは厚みが少し足りない感じでしたが、その後オリジナルボーカルは改善されて更にパンチがきいて音が集約されるようになっていたのでそちらを選びました。私もそうですが、色々なボーカルを試してきましたが結局オリジナルに落ち着きました。
シェーパーは、Hörtnagel(ヘルトナーゲル)の95番です。このシェーパーの特徴はチューブに向かって幅が絞られているところです。この部分が寸胴ですと、私の場合は音程がとても不安定になります。キュッと引き締まる感じが音程の安定につながっていると思います。(補足ですが、ディーミゲン先生は探究心が旺盛な方で、数年前にお会いした時はだいぶ違うタイプのボーカルとシェーパーを試していました。今の形に落ち着いていた私はもうそれ以上は真似はしませんでしたが、退職の年齢近くになってもパワフルで好奇心旺盛なディーミゲン先生は素敵だなと思いました)


話は戻って...チューブはChiarugiの2番です。私はオーボエ用もイングリッシュホルン用も販売用はChiarugiを使っています。その理由は「何か特別というわけではないが割とスタンダードである事」と「値段が比較的安い事」です。贅沢なチューブを使いまくっていたら資金も枯渇しますしリードのお値段を跳ね上げないといけません。それは避けたいですね...

このマテリアルでイングリッシュホルン演奏の何が変わったのか。それは「演奏が楽になった事」「吹き込む息が有効活用されるようになった事」「音程が安定した事」です。
「え?音が凝縮されて強くてしなやかな柳のような音になったのではないの!?」と思われるかもしれませんね。これは私が常に気をつけている事なのですが....
まずは機能がきます。そしてその結果が「音/ 響き」となるわけです。初めから「良い音」に焦点を当てすぎると、重要な機能に集中出来なくなる事があります。音程が不安定なのに音が良いから良い、息が使いきれてないのに音が良いから良い、これでは本末転倒です。
まずは機能、それらがちゃんとクリアされたら、自由な演奏が可能になり、結果的に「その人らしい音」になり、それが「良い音」となるわけです。

なんだか説教のようになりましたが...
次回は、イングリッシュホルンの音の話と私がリードやボーカルを選ぶ時に具体的に気をつけているポイントのお話になります。
今日はこの辺で...最後まで読んでくださってありがとうございます。
音楽に楽しみと喜びを★
Viel Spaß und Freude am musizieren!