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【独歩(独での歩み)】私とドイツとリードの話②

浅く加えて巻き込む... 巾着のようなアンブシュア...なのか!!?卒業試験そしてオーケストラの2番奏者へ...

ドイツでの生活と歩んできた道のりが自分のオーボエリード作りの技術の礎になっています。そんな七転び八起きな経験についてお話ししていきましょう。

アシスタントM姐さんに言われるがまま、もらったリードをくわえてリードのみの音出しが始まりました(これは今でも私が一貫してお伝えしているリードのみのピーピー音/ピープセン/piepsenです)。詳細はここでは省きますが「噛むのではなく包み込む、息は少量で圧力を上げる、奥歯のスイッチ/わずかな包み込む圧力の変化でピーピー音の音程を変える」というトレーニングをひたすら行いました...(※リードのみのピーピー音/ピープセン/piepsenについては過去のこの記事をご覧ください↓少し長い記事ですがとても大切なことが凝縮されています)

当時のオーボエクラスには国際コンクールに向けて準備している先輩たちが競って試演会を行っていて、その演奏を目の当たりにした私は「凄い持久力だな、しかも伸びやかでいて説得力のある音楽、そしてM姐さんのアンブシュア何であんなに持続できるんだ」などと思っていました。

少しでも近づきたい、真似して自分もそうなりたいという目標が周りにあるのは素晴らしいことです。そして頼みもしないのにあちらから「Masako、何してる?ここはこうすればいい」「ここは自分はこうやってる試してごらん」と色々と教えてくれた彼らには本当に感謝しています。

ここから実際には巨人の星の「思い〜込んだら試練の道を〜🎵」のような日々があったわけですが、このテーマはそのような苦労話を聞いて共感してほしいという主旨ではないので先に進みます。

色々あったわけですがどうにか卒業試験まで辿り着きました。デトモルト音大の卒業試験はかなり内容の濃いプログラムになります。1日目は「1時間程度のコンサート形式のプログラム」で多くの奏者が時代を上手く組み合わせた内容にします。次の日2日目は「前半は協奏曲2曲(オーボエの場合はモーツァルトと他に1曲)を含むレパートリープログラム45分」と休憩後に「2週間前に出された課題曲ピアノ伴奏と、初見演奏、オーケストラスタディ」というものです。

この豊富な内容をやり切るだけの体力そしてメンタルが必要なわけですが、オーボエ科だけに限らずどの楽器の学生も果敢に取り組んでいき試験をやり切ったというオーラはかなり特別なものを感じます。私もそうでした。体力もですがアンサンブルのメンバーも巻き込んで良くやったな...と大きな自信がついたわけです。

さて、間髪入れずオーケストラで仕事を始めた私ですが、いきなり「洗礼」を受けることになります...そのお話は改めてまた...(続く)