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【独歩(独での歩み)】私とドイツとリードの話③

オーケストラの2番奏者という役割...頼りになる同僚にすごく助けられました。そんななか新たなリードの挑戦.....がっ!えらいこっちゃ

ドイツでの生活と歩んできた道のりが自分のオーボエリード作りの技術の礎になっています。そんな七転び八起きな経験についてお話ししていきましょう。第3回目です。

デトモルト音楽大学で卒業試験を終えてまもなく、私はオーケストラの2番オーボエ兼イングリッシュホルン奏者というポジションで働き始めました。そして早速この時点で洗礼を受けることになります。

初めての仕事はモーツァルトのオペラ“Zaida“…..どれだけの方がこの題名のオペラを知っているでしょうか?私は知りませんでした。(まあそれは良いとして)スコアと共に曲も聴いて勉強していざリハーサルへ。

比較的小編成のオーケストラが集まったオーケストラピット、記念すべき初仕事!華麗に美しく決めてやる!と意気込んでいた私です。

が....“柔らかく染み渡るような美しい低音ppをどうぞ〜”というまさに2番オーボエの醍醐味といえる音たちが全然上手く吹けませんでした(号泣)。卒業試験ではソリストとして様々な曲を用意し持久力やテクニックはぐっと上がりましたが、オーケストラの中で低音のppをいかに美しく滑らかに色を持って表現するか、という準備をほぼしてこなかったのです。

どうやら全然違うイメージが必要なようだ...

そんななか、尊敬する同僚Pの隣で吹くことができたのは本当に幸せなことでした。その同僚Pは哀れな2番オーボエの私に対して「もっと小さく!」「音がうるさすぎる!」などという声かけは一切せず、代わりに色々な言葉で表現してくれました。この方法、どんな言葉で相手に伝えるかというのは今でもとても大事にしている要素です。※その時の様子を詳しく書いた記事はこちら↓

オーケストラで仕事をしていく時、隣や周りの同僚がどんな人々なのか、彼らと上手くコミュニケーションをとっていけるかどうか、というのは非常に大事なことです。毎日顔を突き合わせていくわけですからね。オーボエグループのもう一人の同僚Mは私と同じデトモルト音大出身で、とても明るい性格で私もたくさん助けてもらいました。思えば私はつくづく同僚や周りの人々に恵まれたな、と思うわけです。

ある日のこと、リードを作るのが好きだと知った同僚Mは私に尋ねてきました。

「Masako、リード作りが得意で好きならリードを売ることも考えたらいいじゃん?試しに僕が教えている音楽学校のちびっ子オーボエプレーヤーたちのためにリード作ってよ」

「いいね!やるやる」

と快諾した私でした。が、後で次なる試練にぶち当たることになります...。ちびっ子オーボエプレーヤーたちのためのオーボエリードとは...。続きはまた今度...